コロナ下の難聴者への対応事例 - 聞こえに困っている方へ
『会員 街に出かける』
コロナ禍が落ち着きを見せていた5月から6月。街に出かけてみました。
○月○日 Mさん
東京国立博物館にて。受付には耳マーク。係の女性に話を聞きました。「筆談の対応はたまにあります。障害者手帳を示されて依頼されることが多いです。手話での問い合わせにも、手話ができる者がいないので筆談ボードで対応します。質問によっては図や構内の位置などを矢印で示したりもします。全部の館のインフォメーションに耳マークを置き、筆談用具を用意しています。」とのことでした。中途失聴・難聴者には手話のできない人も多く、筆談の対応はありがたいと伝えてきました。
△月△日 Aさん
新宿御苑に行きました。新宿門にある案内窓口には耳マークがあり、筆談で丁寧に対応していただけました。聴覚障害の方も時々来苑されるとのことでした。入口横のプロジェクションマッピングでは、日本語の他に英語や韓国語など10ヶ国語ほどの案内が選べます。大きな画面で迫力がありますが、残念ながら音声のみで字幕がありませんでした。受付の方に「ぜひ字幕を」と伝えたところ、その場ですぐ管理本部に連絡してくださいました。次回行った時に字幕がついていることを期待したいです。
◇月◇日 Kさん
電車で出かけようと駅へ。改札の前に人だまりができていて、駅員さんがスピーカーでアナウンスをしています。ホワイトボードには事故のお知らせ。事故の起きた時間や場所は書いてありますが、今後の見通しは書き込まれていませんでした。すぐ近くで個別対応している若い駅員さんに、スマホの音声文字変換画面を示しながら「東京行きの発車は何時頃になりますか?」と質問しました。画面を見てすぐに了解した駅員さんは「準備でき次第すぐに発車する予定です」と半分スマホに向かって答えました。誤変換がありましたが、すぐに言い直してくれたので、運転再開1番目の電車に乗ることができました。ありがとうと伝えることも忘れませんでしたよ。
×月×日 Aさん
先日タクシーでの事、運転席の後ろに耳マークが貼ってあり、降車の際に、このマークは何かと尋ねたところ、運転手さんは降りてきて、後ろのドアを開け、指を指しながら、「聞こえない人に筆談しますよ、というマーク。まだ、始まったばかりだから、誰からも頼まれていないが、メモ帳とペンはすぐに出せるようにほら、ここに置いてあるよ。」と見せてくれました。私たちが積極的に使うことが啓発につながりますね。
協会ニュース2022年8月号掲載記事より