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聞こえに困っている方へ

私たちは、人の話し声、鳥の鳴き声、車、チャイム、電子レンジなど様々な音に囲まれて生活しています。そのような周りの音はどれも生活していく上でとても大切なものですが、その中でも人の話し声はとりわけ重要です。それは、話すことや聞くことが、人と人とを結びつける大切な手段であるからです。

聞こえにくいことは、生活上の不便さを超えて、コミュニケーションの障害として人と人との関係を損ないます。
小さな子どもの場合、聞こえの障害は人としての成長に大きな影響を及ぼすとともに、周りの人との関係を作ることを難しくします。年を取って聞こえが悪くなると、周りの人との交流が難しくなり、孤立して生活の質が急速に落ちていきます。また、会社などに勤めている方の場合、仕事の内容が変わったり、極端なケースでは退職を迫られたりして、生活が危機に陥ることもあります。
聞こえの問題は、その人のライフステージに沿って、様々な形で現れてきます。

しかし、悲観しすぎることはありません。
この「聞こえに困っている方へ」のページには、聞こえの仕組み、聞こえを取り戻す方法、新たなコミュニュケーションの手段など、様々な情報があります。
ご自身の現状に沿った正しい情報を得ることは、聞こえの問題を乗り越え、新しい生活を始めるための最初の一歩です。

これらの情報が、聞こえに困っているあなたへのサポートになればと願っています。

聞こえを取り戻す(聴覚補償)

聴覚に関する医学の進歩、技術の進歩は著しいものがあります。
投薬による治療や手術によって、多くの聞こえの障害は回復が可能になっています。また、従来ほとんど回復の可能性がなかった重度の難聴も、人工内耳の普及で聞こえの回復が見込めるものになっています。

一方、補聴器は小さくなり、聞こえの程度に合わせた調整が可能なものが増えて、中等度・高度難聴の方にとっては補聴器利用が聞こえの回復の大きな手段になっています。人工中耳や埋め込み型補聴器も普及が始まり、聞こえの回復は新たな段階を迎えています。

コミュニケーションを学ぶ(コミュニケーション学習)

聞こえの障害はコミュニケーションの障害です。聞こえそのものの回復に加えて、声によるコミュニケーションを補う新たなコミュニケーション方法の習得が求められます。また、新たなコミュニケーション方法の習得は、自分自身の障害の受け入れや、自信・尊厳の回復につながります。

コミュニケーション学習は、手話・読話の習得が中心となりますが、話し方や筆談、携帯端末を使った会話技術の習得なども、欠かすことのできないコミュニケーション学習です。

コミュニケーションを助ける(情報保障)

これからの社会は「共生社会」となっていくことが求められます。それは「障害のある人もない人も、だれもが相互に人格と個性を尊重し、支え合う社会」です。

私たちが暮らしている社会は、聞こえない人と聞こえる人が入り混じって暮らしています。聞こえに困っている人は自分自身の問題として、聞こえを回復するための努力や新たなコミュニケーションの習得が必要ですが、そのような人を取り巻く社会も、聞こえの問題の解決についての努力、聞こえない人と共に暮らす努力が求められます。

具体的には、すべての音声の情報に文字を付けることや、いつでも・どこでも・だれでも利用できる手話通訳・要約筆記者派遣制度を充実させることなどです。

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