ホーム 聞こえに困っている方へ こんにちは、ニュースです - 聞こえに困っている方へ

こんにちは、ニュースです - 聞こえに困っている方へ

毎日見ているテレビのニュース。特に昼のニュースは必ず見ています。

トップの事件から始まり、経済、社会、国際関係、イベントのお知らせ…その日の、世の中の動向をアナウンサーが正確に伝え、少し遅れて字幕放送が流れます。音声と文字との時差に多少のもどかしさを覚えますが、私にとって報道番組は貴重な情報源の一つであり、社会とつながるための媒体です。

かつて、ニュースに字幕がなくインターネットも普及していなかった頃、聴覚障害者にとって主要な情報源は新聞でした。新聞は何度でもじっくり読み返すことができ、語彙を増やしたり、各紙の主張の違いを見極めたりしながら自分の知識を深めることができる、すばらしいものです。ただ速報性にやや弱いことから、半日から1日、大きな事件・事故の詳細を知らずに過ごしてしまうことが時々ありました。

それが字幕放送によって、私たち聴覚障害者は、今ではわずかな時差で聞こえる人とニュースを共有することができるようになったのです。聴覚障害者の情報アクセス権獲得の道程を思わずにはいられません。

欲を言えば、地域のニュースや、深夜に放送される台風などの災害情報には字幕がついていないことがあります。私の場合、補聴援助機器を利用して聞いていますが、身の回りの情報から聴覚障害者はまだ置き去りにされています。それが全面的に解決する日が来ることを望んでいます。

「ニュースをお伝えしました」

2014年発行「聞こえのハンドブック」掲載コラム⑤より

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