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聴覚障害者とマスクの着用(声明) - 意見・要望・声明

聴覚障害者とマスクの着用(声明)

認定NPO法人 東京都中途失聴・難聴者協会

 私たち東京都中途失聴・難聴者協会は、聞こえに困っている人のために交流の場、学びの場を提供し、互いに支え合うとともに「聞こえ」の問題を社会に向けて活動している、東京都の中途失聴・難聴者とそれらを支援する者の集まりです。

 いま、各地に広まっている新型コロナウイルスについて、世界保健機関(WHO)が「パンデミック」と評価し、私たちの周りでも感染者が拡がっています。そのため、社会の萎縮と緊張が高まっており、感染予防のために多くの人がマスクを着用し、一方ではマスクが十分に供給されず、購入が困難なのことが私たちの不安を一層掻き立てております。

 厚生労働省が発表している「咳エチケット」がマスクを着用することをエチケットの1番目に挙げているように、感染予防に最大限の努力をすべき今の段階で、正しくマスクを着用し感染の拡がりを防止することは何をおいても優先しなければならない行動です。しかし、そのようなマスクの着用が、一部の人にとっては生活上の大きな困難をもたらしていることを皆さまに是非知っていただきたいと考えます。

 聞こえない・聞こえにくい人の多くは、人の表情・口元の動きを見て多くの情報をとって、コミュニケーションを図っています。そのような人にとっては、相手の表情が隠れ、口元が見えないマスクの着用は大変大きなバリアとなります。とくに、病院での受診など正確なコミュニケーションが求められる場面では、マスクの着用で損なわれるコミュニケーションを筆談など他の方法で回復することが非常に大切と考えます。

 今回の新型コロナウイルス問題に関しては、3月9日の政府専門家会議が、「国内での流行をいったん抑制できたとしても、世界的な流行が進んでいることから、国外から感染が持ち込まれる事例も、今後、繰り返されるものと予想される。」と述べているように、感染が長期化することが予想されます。そのため、私たちにも冷静な、忍耐力のある対応が求められます。マスクの着用という誰もが感染予防に必要と考える当然の行動が、聞こえない・聞こえにくい人にとってバリアとなることを是非ご理解いただき、感染予防のためにマスクの正しい使用が社会の共通理解となることを切に希望します。

【参考:新型インフルエンザ専門家会議「新型インフルエンザ流行時の日常生活におけるマスク使用の考え方」平成20年11月30日  https://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/11/dl/s1120-8l.pdf 】

2020年3月19日

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