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【国際難聴者連盟】新型コロナウイルスと難聴者(声明)

(日本語訳)
2020年3月23日
国際難聴者連盟

 現在の新型コロナウイルス(COVID-19)によるパンデミックに対して、公共サービスの提供者が、難聴者の抱えるアクセシビリティ上の困難さに留意することは、きわめて重要である。難聴は世界中で4億6千6百万人を超える、最も多数の人が抱え持つ障害種別の一つである。また、高齢者の多くは、他の障害に加えて難聴を併せ持つことが多く、難聴者には新型コロナウイルスの感染に対して抵抗力の脆弱な人が非常に多く含まれている。

 難聴者は、その障害の特性から、口元の動きを読むなど他の人と近接してコミュニケーションを行うことが必要となる。しかし、現在は感染予防のために人との接触に距離を置くことが求められ、口元の動きを隠すマスクの着用が求められている。そしてこれらは、多くの人の安全のためにやむを得ない対応と考えられる。

 このような状況の中で、我々難聴者とのコミュニケーションにおいては、できる限り明瞭に、そして適度の速さで話すことを心掛けていただきたい。補聴器のような補聴を援助する電子デバイスは音を増幅するので有効な場合が多い。また、スマートフォンに文字を表示したり、紙に書いて筆談することも非常に有効である。そのようなことに加えて、我々は以下のことを強く社会に求める。
●あらゆるメディアの情報に字幕を付けること。多くの難聴者は、新型コロナウイルスに関連した急速な対応をもたらす重要な情報にアクセスできる文字情報を求めている。
●手話を利用する多くのろう(あ)者や一部の難聴者のためにメディアの提供する情報に手話をつけること。
●対面によるやり取りが難しい場合は、文字電話リレーサービス(TRS)又はビデオ電話リレーサービスの提供を考慮すること。
https://www.youtube.com/watch?time_continue=32&v=EhYdpcaxkIM&feature=emb_logo

 また、我々は世界中の難聴者やその関係者に対して以下の対応をアドバイスする。
●まだ対応がなされていないなら、会議・集まりの延期・中止をすること
●1か月またはそれ以上の補聴器電池を確保し、販売店での購入ではなく電話・オンラインでの購入を可能にすること。
●体調が悪い場合は、補聴器販売店への予約を延期すること。
●利用可能な補聴援助機器を最大限に利用すること。このことは、人との接触を避け、口元の読み取りへの依存を低減する。また、他人が使用した機器を使用の前後に消毒することを励行すること。
●相手の言っていることが理解できない場合は、もう一度話してもらう、スマートフォンに文字入力してもらう、また書いてもらうことを要求する。

この声明についての質問や意見があれば、IFHOH website: https://www.ifhoh.org/corona-virus にアクセス頂きたい。

この健康に係わる重大な危機において、難聴者のアクセシビリティを守るための積極的な意見を寄せていただくことを期待する。


With best regards,
Dr. Ruth Warick, President, International Federation of Hard of Hearing People
info@ifhoh.org
www.ifhoh.org
www.facebook.com/groups/IFHOH
www.twitter.com/IFHOH

IFHOH声明.pdfをダウンロード

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