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コミュニケーションを助ける - 聞こえに困っている方へ

私たちが社会生活を営む時、周囲との言葉のやり取りは不可欠です。話を聞き、質問し、理解しあうことは、誰にとっても当たり前のことに思えるでしょう。聞こえない・聞こえにくい人が、聞こえる人と同じ場で同じようにするためには、聞こえてくる話を目に見える形に変えて受け止めなければなりません。 ここでは、話された言葉を見える形に置き換える方法のうち、いくつかを紹介します。

1.通訳を介して受け止める方法

言葉の通じない外国の人と話をする時には、言語通訳を介して言葉のやり取りをします。相手の話した理解できない言葉が、自分の理解できる形に姿を変えて伝わってきます。
聞こえない人のための通訳も同様に、目で見える形に話し言葉を変換して伝えます。

研修・講座・面談・契約・申請・交渉・受診・検査…日常生活のあらゆる場面で、言葉のやり取りは大切な意味を持っています。相手の話をその場で理解し、判断し、行動しなければならない時があります。その場の情報を、即座に聞こえない人が受けとめられる形にして伝えるのが通訳です。

通訳の方法には、手話に変換する方法と、文字に変換する方法の2つがあります。

1-1.手話通訳の利用

手話通訳をテレビで見たことがある方も多いでしょう。
ニュース映像の中や、政見放送でも見るようになりました。また、地域の行事や講演会などの舞台で目にすることも多くなりました。手話通訳は、個人でも必要な場で利用することができます。 手話通訳を利用して話の内容を理解するには、手話を学び、一定以上の手話技術を身につける必要がありますが、視覚的に話を捉えることのできる優れた方法です。

1-2.要約筆記の利用

要約筆記とは文字を使った通訳です。話の内容を、要点をまとめて文字にして伝えます。

不特定多数を対象にして、スクリーンに文字を投影する方法は、地域の行事などで目にします。個人で要約筆記を利用する場合には、利用する人のすぐ近くで要約筆記者が文字を書き伝えます(パソコンに入力する方法もあります)。
手話が苦手な方にも、すぐに利用できる方法です。

手話通訳、要約筆記の派遣は、どちらも区市町村で行っている福祉制度です。 利用は、原則的には区市町村の福祉課に申し込みます。自治体によって、派遣に関する要綱が異なることがありますので、利用を希望する場合には早めにお住まいの自治体に確認しておくとよいでしょう。

詳しい内容について、下記にお問い合わせいただくこともできます。

東京都中途失聴・難聴者協会事務局 info@tonancyo.org

東京手話通訳等派遣センター

FAX:03-3354-6868
TEL:03-3352-3335
代表:tohakyo@tokyo-shuwacenter.or.jp
手話通訳申し込み・問い合わせ:haken@tokyo-shuwacenter.or.jp
要約筆記申し込み・問い合わせ:youyaku@tokyo-shuwacenter.or.jp

2.周囲の人のサポートを受ける

通訳を利用するのは、日常生活の中の限られた時間に過ぎません。その他のほとんどの時間、聞こえない人は自分自身で周りとのコミュニケーションを図っています。これをスムーズにするためのヒントがあります。

2-1.耳マーク

「耳が聞こえないので、配慮をお願いします」という自己表示のために考案されたマークが、耳マークです。街中で知らない人に筆談を頼む時、病院で配慮を求める時などに、このカードを相手に示して必要なサポートを頼みます。

「聞こえません。書いてください」
「聞こえません。口元が見えるように話してください」

などと、具体的に話しかけると相手も対応しやすくなります。

また、区役所や市役所・銀行・病院の窓口などで、このマークが表示されている所もあります。これは「聞こえにくい人には筆談などでサポートします」という意味の耳マークです。

耳マークには他にもピンバッジや筆談用のメモ用紙、自転車や自動車用のステッカーなど、いろいろなグッズがあります。これらは当協会でご注文いただけます。

耳マークの例。窓口に「耳の不自由な方は筆談しますのでお申し出下さい。」との但し書きとともに耳マークの掲示がされている。 耳マークの例。耳マークが記載されたカードを首からぶら下げている。

2-2.筆談

通訳者がいない場で、相手の話を聞きたい時には筆談をします。
医師が説明をする時や駅の窓口など、様々な場所で筆談対応が可能になってきています。家族・友人とのおしゃべりや、大事なことの確認も、文字にすると行き違いがなくなります。

電車が急に停車して、車内放送が聞こえないため状況が分からない、というようなことは難聴者なら誰もが一度は経験しています。隣にいる見ず知らずの人に質問して、書いてもらった経験をしている人も大勢います。最近では、質問に対して隣の人が自分のスマートフォンに書き込んでくれたり、振り替え案内の情報を見せてくれたという話もよく聞くようになりました。

筆談はその場にある道具でできる方法です。特別な道具はいりません。単語だけで伝わることも多いので、書き慣れておくと、誤解や聞き間違いが少なくなるはずです。 筆談用の機器やアプリも開発されていますので、試してみるのもいいかもしれません。

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