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理事長挨拶 - 協会について

 

 

 

 

 

 

ごあいさつ

理事長 宇田川芳江

東京都中途失聴・難聴者協会は、都内の聞こえない、聞こえにくい人たちのいくつかの団体が力を合わせ、中途失聴者や難聴者の福祉の向上を目ざして、1986(昭和61)年に設立しました。2003(平成15)年には特定非営利活動法人として法人化し、2013(平成25)年には認定NPOの認可を受けて現在に至っています。ご自分が聞こえない、聞こえにくいと感じたとき、ご家族が聴力に支障があると思われたとき、その支えになれる協会でありたいと活動を続けてきています。

協会が設立してまもなく40年、当時と比べると聴覚障害への理解も少しずつ浸透し、障害者福祉の法整備もなされてきました。人工内耳や補聴器などの性能や医療面の研究も著しい進歩を遂げています。手話通訳者や要約筆記者の養成や派遣の制度も確立し、必要な支援を受ける体制はできてきています。技術の進歩による音声認識装置や遠隔の通訳などの支援機器も格段の進歩があります。こうした法整備や機器の充実は、社会の中で困難な状態に置かれている人にとって大きな福音であることは間違いありません。
そして、これらの進展の過程で、その充実に寄与してきたのは、協会をはじめとする聴覚障害者の運動があったからです。社会の一員として、「それぞれの場で」「さまざまな人生の段階で」、よりよく生きるための要望は当然の権利であり、当事者の責務でもあると言えます。聞こえに困らない生活を社会に求め続けるためには、聴覚障害者団体の存在が不可欠です。

では、社会や制度が充実してきたら、聴覚障害者の団体は不要でしょうか。生身で生きている私たちにとって、人の集うことには大きな意味があります。コロナ禍を体験したいま、より切実に人と顔を会わせることの幸せを感じた方も多いでしょう。誰もが集える場を築くこと、自由にコミュニケーションが交わせること、これこそが、聴覚の障害を抱える人やそれを支える人の未来につながる東京都中途失聴・難聴者協会の存在意義であると考えています。

聴覚の障害は周りの人に気づかれにくく、その困難さを伝えにくい障害といわれます。そのため、適切なサポートが得られずに、本来の力を発揮できない状況も頻繁に起きてきます。そのことが自信の喪失につながり、生活力が低下することもあります。
また、聞こえにくいだけではなく、絶えまない耳鳴りに悩まされたり、突然の激しいめまいに襲われたりすることが、社会生活上の大きな支障になっています。こうした状態に置かれている方たちにとって、法制度や機器の進展だけでは埋められない「心のケア」ともいえる「共感の場」が必要なのではないでしょうか。

私たちは誰も、自分らしく、楽しくやりがいを感じて生きていきたい、仲間と集い、笑いあう、励ましあう環境を作りたい、東京都中途失聴・難聴者協会は、そう願って活動しています。
聞こえない、聞こえにくいかた、さまざまな形で協会を応援してくださるかたのご参加をお待ちしています。

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